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投資はなぜ必要と言われるのか?始める前に知っておきたいお金を取り巻く6つの変化

· なつみかん

はじめに

「老後のために投資を始めなければ」「NISAを使わないと損」といった、やや強い言葉を目にする機会が増えています。

投資に関心を持つこと自体は良いことです。ただ、情報が多すぎて何が正しいのかわからなくなっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「なぜ今、投資が話題になっているのか」という背景を6つのポイントで整理します。投資を始めることを急かすのではなく、まずは社会の変化を知ることが目的です。仕組みを理解したうえで、自分で判断できるようになることが大切だと考えています。


私たちを取り巻くお金の環境が変わっている

1. 物価上昇(インフレ)

2022年以降、日本でも物価上昇が続いています。食品や光熱費をはじめ、日常的に「以前より高くなった」と感じる場面が増えました。

物価上昇が続くと、同じ1万円でも実際に買えるものの量が少なくなります。たとえば年率2%のインフレが続いた場合、現在の100万円は10年後には約82万円分の購買力しか持ちません(単純計算)。

銀行の普通預金金利は、かつてはほぼ0%でした。2024年以降は金利がわずかに上昇しているものの、物価上昇のペースには追いつかない水準が続いています。

ここで強調したいのは、「だから預金はやめろ」ということではありません。生活防衛資金(いざというときのお金)は預金に置いておくべきです。ただ、「全財産を普通預金に置いておけば安心」という考え方は、インフレの影響を受けることを理解しておく必要があります。

2. 金利上昇

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に利上げを行っています。金利の変化は、私たちの生活に広くかかわります。

  • 住宅ローン: 変動金利型のローンを組んでいる場合、返済額が増える可能性があります
  • 預金金利: 銀行の金利がわずかに上がっています
  • 株価・為替: 金利上昇は企業の借入コスト増加につながり、株価に影響することがあります

投資をする・しないにかかわらず、金利の動きは家計に影響します。基本的な仕組みを理解しておくことで、日々のニュースも読みやすくなります。

3. 円安

2022年以降、円安が急速に進みました。一時は1ドル150円を超える水準にもなりました。

円安の影響を最も実感しやすいのは、輸入品の価格上昇です。食料品、エネルギー、海外旅行のコストなどが上がります。

一方で、外貨建ての資産(米国株・外貨預金など)を保有していた場合、円換算での評価額は増加します。「円だけで資産を持つ」か「外貨建て資産も持つ」かは、為替リスクと一緒に考える必要があります。

4. 長寿化と老後資金

厚生労働省の令和6年簡易生命表によると、2024年の日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳です。60歳で定年退職した場合、20〜30年以上の老後生活が続く可能性があります。

「老後2,000万円問題」という言葉が話題になったことがありますが、この数字は全ての人に当てはまるわけではありません。生活水準・持ち家の有無・退職金・配偶者の状況など、人によって必要な額は大きく異なります。

ただ、「公的年金だけに頼らず、ある程度は自分で備える」という意識は、多くの人にとって必要になっているのも事実です。いつから、どのくらい準備するかは、それぞれの状況に応じて考える必要があります。

5. NISAの拡充 — なぜ国が投資を後押しするのか

2024年から「新NISA」として制度が大幅に拡充されました。投資で得た利益にかかる税金(通常約20%)が非課税になる制度で、年間最大360万円まで利用できます。

なぜ国がここまでNISAを拡充するのでしょうか。背景の一つは、日本家計の金融資産の偏りです。日本の家計金融資産は約2,100兆円(2023年末)とされていますが、そのうち半数以上が現預金に集中しており、株式・投資信託の比率はアメリカに比べて低い水準です。

政府は「貯蓄から投資へ」を掲げ、個人の資産形成を促進する方針を打ち出しています。NISAはその中心的な制度です。

ただし、NISAは「元本が保証される制度」ではありません。非課税になるのは利益が出た場合の話であり、投資した資金が元本割れするリスクは存在します。制度の有利さと、投資のリスクは切り離して考える必要があります。

6. 金融教育の不足

日本では、高校家庭科で資産形成を含む金融教育が本格的に扱われるようになったのは2022年度からです。投資経験のある世代の多くは、学校でお金や投資について体系的に学ぶ機会がなかったといえます。

知識がないままで投資を始めると、手数料の高い商品を選んでしまったり、自分のリスク許容度に合わない運用をしてしまうリスクがあります。近年ではSNSを通じた投資情報も増えていますが、中には誇張されたものや不適切なものも含まれています。

だからこそ、中立的な視点でお金の基礎を学べる場が必要だと感じています。


投資にはリスクがある — リスクとリターンの関係

「リスク」という言葉は「危険」を意味すると思われがちですが、金融の世界では少し異なります。投資のリスクとは「リターン(収益)の振れ幅(不確実性)」のことです。

リスクとリターンは表裏一体の関係にあります。大きなリターンが期待できる投資ほど、大きな損失が出る可能性もあります。逆に、損失リスクが低い投資は、期待できるリターンも低くなります。

「ローリスク・ハイリターン」の投資商品は、原則として存在しません。もしそう謳われている場合は、何らかのリスクが隠れていることがほとんどです。

投資商品ごとのリスクとリターンの関係については、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の金融経済ナビが分かりやすい図を公開しています。

リスクとリターンの関係(J-FLEC 金融経済ナビ)

なつみかん投資ラボで扱う各サービスを、リスクの低いものから高いものへ並べると、おおよそ以下のようになります。

リスクレベル主な商品・サービス
預貯金(元本保証)
低〜中債券・NISA投資信託(インデックス型)
中〜高高配当株・ロボアドバイザー・クラウドファンディング
FXスワップ・暗号資産積立・暗号資産レンディング

このリスクレベルはあくまで目安であり、同じカテゴリ内でも商品によって大きく異なります。また、為替変動・金利変動・事業者リスクなど、表面的なリターン以外のリスクも存在します。

投資をしない場合には、インフレによって現金の購買力が下がるリスクがあります。一方で、投資をすれば元本割れや価格変動のリスクがあります。大切なのは、どちらか一方を正解と決めることではなく、預金と投資の役割を分けて考えることです。


大切なのは「投資をすること」ではなく「自分で判断できる力」

投資が必要な時代になった、という言葉をよく聞きます。ただ、「投資をしなければならない」ということはありません。

大切なのは、投資を含めたお金の知識を持ち、自分にとって何が適切かを判断できるようになることです。

投資を始める前に、まず以下の順序で整理すると考えやすくなります:

  1. 収支を把握する — 毎月の収入と支出を整理する
  2. 生活防衛資金を確保する — 生活費の3〜6ヶ月分を現預金で確保する
  3. 余裕資金を把握する — 当面使う予定のないお金がどれくらいあるか
  4. 仕組みとリスクを理解してから始める — 商品のリスクを理解したうえで判断する

焦る必要はありません。まずは「知ること」から始めてください。


なつみかん投資ラボが目指すこと

このサイトは、投資を無理に勧めるメディアではありません。

「なぜこのサービスを選んだのか」「実際にどんなリスクがあるのか」「運用してみてどうだったのか」を、実データをもとにお伝えすることが目的です。

利益だけでなく、含み損や失敗の経験も包み隠さず公開しているのは、投資の実態を正直にお伝えするためです。良いことばかりを発信するメディアが多い中で、「うまくいかないこともある」という現実もともに伝えたいと思っています。

投資を始めたいと思っている方は、ぜひ「初めての方へ」ページから順を追って読んでみてください。


まとめ

物価上昇・金利上昇・円安・長寿化・NISAの拡充・金融教育の不足——これらの変化は、お金について学ぶ機会が増えている背景にあります。

ただし、「だから今すぐ投資を始めよう」ではなく、「まず仕組みとリスクを正しく理解しよう」というのが、このサイトの基本的なスタンスです。

なつみかん投資ラボでは、実際の運用データを公開しながら、投資の仕組みとリスクを一つずつ整理していきます。


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※ 本記事は、筆者個人の運用記録および一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買、保有、投資判断を推奨・勧誘するものではありません。掲載内容は筆者個人の見解であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資には元本割れ、為替変動、価格変動、金利変動、流動性リスク、信用リスク等があります。最終的な投資判断は、ご自身の責任で行ってください。

※ 記事内の数値・事例は執筆時点(2026年5月)の情報に基づく参考値です。税制・制度は今後変更される可能性があります。最新情報は金融庁の公式ウェブサイトおよび税務署等でご確認ください。